あけましておめでとうございます!
2020年という新時代が幕を開けました。
これを書いているのは2020年1月2日、2019年はブログを見に来てくれたみなさん、ありがとうございました。
2010年代はEDMが世界を席巻した10年であり、数々の名スターが生まれ、巨大フェスティバルが世界を席巻しました。
今年は正確な予想まではできないものの、ダンスミュージックシーンに新たな風が吹き荒れること間違いなしです。
そこで今回は2020年の幕開けというタイミングで、これから10年のシーンの動向を予想してみたいと思います。
2020年のメインジャンルはテクノとハウス
これはこのブログでは、開設した2017年ごろから一貫して言っていることですけどね。
2018年や2019年ごろには日本でもその傾向は顕著になってきましたが、いよいよこれから10年は大きなムーヴメントになることでしょう。
↓本日現在のbeatportのランキングを貼っておきます(タップするとフルサイズで見ることができます)。
ついでに、トップページでチャートを提供し、フィーチャーされているDJを見てみましょう。
Amelie Lens、ANNA、Ben Rau、Jimpster、Nic Fanciulli、Nicole Moudaber、 Darius Sytrossian、Detroit Swindle、Junior Jack。
ダンスミュージックラバーを自称するあなたは、これらのDJにどれだけ馴染みがありますか?
2020年代はFemale DJが世界の頂点に立つ
2010年代は実力派のFemale DJが、台頭してきました。
今や世界の巨大フェスのヘッドライナーまで上り詰めたAmelie Lens、Charlotte de Witteをはじめ、ANNA、Chelina Manuhutu、Nora En Pureなど、そしてまだ見ぬライジングタレントが、ダンスミュージックシーンを活性化することでしょう。
この背景にはテクノやハウスが再び世界を席巻しているのも、大いに関係しているはずです。
というのもテクノはEllen Allien、Monika Kruse、Nina Kravizなど、人気や実力があればメインストリームに躍り出ることができる土壌が、昔から出来上がっていますし。
また今後はソーシャルメディアの力(特に動画)や、レコメンドエンジンなどのAIが、ますますオーディエンスとDJの距離を縮めることでしょう。
人気と実力を兼ね備えたFemale DJたちを、これまで以上にスターダムにのしあげる環境が、どんどん整備されていくことは間違いなさそうですね。
EDMやトランスは日陰な存在へ
EDMに関しては、この2019年でシーンでの役目を終えたと言っていいのではないでしょうか。
彼らのこれからの動向は、Calvin Harris、The ChainsomkersやJonas BlueなどのようにSpotifyやYouTubeをベースとしたポップミュージックメーカー、またはDavid GuettaやDiploのようにHouse回帰、といった感じになるでしょう。
トランスに関しては、今後も良く言えば「根強いファンに支えられ続ける」、悪く言えば「特に代わり映えのしない、ダンスミュージックシーン全体では特に目立たない存在」になりそうです。
ここ最近のトランスも音的に斬新な感じは特にないですからね。
むしろNina KravizやAmelie Lens、Charlotte de WitteといったハードなテクノをプレイするDJが、アップリフティングトランス的なアプローチをとっているので、そっちのほうがシーンに新しい息吹を吹き込んでいる印象です。
Lenske(Amelie Lensのレーベル)の最新トラック
Extreme Trax – Final FantasyをプレイするCharlotte de Witte
DJの次はトラックメイキングのスキルは要らなくなる
2010年代は DJを始めることや、人前でDJすることへのハードルをかなり低くしました。
DJをする上で高いスキルを必要とされたピッチ合わせは、BPM解析やオートシンクといった機能により、今ではほぼ不要になっています。
またプロフェッショナルなDJのトラックリストが1001tracklistやYouTubeのコメント欄に公開されたり、Shazamというアプリで解析でき、ダウンロード購入やbeatportのレコメンド機能が発達するというオンライン完結の中、選曲のスキルを問う意味はなくなりました。
さて次はテクノロジーがどこにメスを入るのでしょうか。僕はトラックメイキングの領域だと睨んでいます。
実際、AI(人工知能)が作曲する動きが進んでいて、世界を代表的するAIテックカンパニーであるAMAZONは、世界初の機械学習対応の電子キーボードであるAWS DeepComposerを発表しています。
今後はゼロから作曲するスキルは不要になり、作曲するためにテクノロジーをコントロールするスキルのほうが求められるようになるでしょう。
なお僕は今この「AI(人工知能)×作曲」というカテゴリに、非常に強い関心を持っています。
今年はこの領域を本格的に学ぼうと思っていますので、またブログでシェアしていきたいと思います。
人間ではないDJが人気者になる
このようにかつては職人の領域とされたDJも、今後はほとんどの仕事をテクノロジーが代替してくれるようになります。
では今後はDJは不要になってしまうのでしょうか。
いや、僕はそのようには考えません。
やはり僕らは人(Humans Being)から音楽を提供してもらいたいと感じているのです。
つまり音楽コンテンツは今後は価値を持たなくなり、「誰から提供されるのか」というところだけが重要視されるようになるのです。
ちなみに今、「僕らは人(Humans Being)から音楽を提供してもらいたい」と書きましたが、実際は違うかなとも思っています。
VTuber(バーチャルYouTuber)のように、VDJ(バーチャルDJ、人間ではない現実上には存在しないDJ)が人気を博してもおかしくありません。
あるいは、↓このAI美空ひばりのように、Aviciiなど亡くなった人気DJがテクノロジーの力で蘇り、あなたの目の前でプレイしてくれることも珍しくなくなるでしょう。
VR上のフェスやクラブが出現
ここも大きなポイントですが、注目のテクノロジーがVRやARです。
5Gの普及によりVRやARが一気に身近なものとなり、ウェアラブルな何か(今の所どんなものになるか全くわからないけど、想像できる範囲だとZOZOスーツ的な何かを着て、Googleグラスを掛ける感じ?w)によって、ヴァーチャルなフェスやクラブにトランスフォームできるようになるでしょう。
おそらくその分岐点は、世界のあらゆる事象がまるっきり変わると言われている2025年だと睨んでいます。
渋谷や六本木、あるいはベルギーやイギリス、オランダまで行ってダンスミュージックを体験しに行くのが古くなる時が来るかもしれません。
この領域も僕はとても大きな興味を持っています。
まとめ:2020年代のダンスミュージックシーンはカオス
このサイトではだいぶ前から、『2020年代はテクノ&ハウスこそ世の中を席巻する』と主張してきましたが、実際そのとおりになってきていますし、今後は嫌でもその動きを見せつけられることになるでしょう。
そしてテクノロジーの部分に関しては、正直現実的にはどんな感じになるのかは正確にはわかりません。
でもだからこそ面白いのではないでしょうか?
ダンスミュージックに限ったことではないのですが、これまでの歴史ではあり得なかった革命が次々と起こります。
デジタルと親和性の高いダンスミュージックの世界では、それらが顕著に現れることでしょう。
かなり刺激的な10年になりそうですね。楽しみです。
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