ちょっと前の事件ですが、メキシコでこんな悲劇が起きました。
A crowdfunding campaign has been started to have DJ Perplex’s body flown home. https://t.co/6ODmL6vvzQ
— DJ Mag (@DJmag) July 7, 2019
サイケのDJであるPerplexが、メキシコのSan LuisPotosíという街にあるクラブで、客にプレイ中に銃殺されたというのです。犯行の動機は不明とのこと。
治安の悪いところで、エンターテイメントを提供する一人の人間が、突然アホによって死に追いやられるという、あまりに不毛過ぎる出来事です。
というわけで、今回は音楽とその現場で時に起こってしまう暴力について、私見たっぷり、時には言葉選ばず取り上げたいと思います。
客が出演者を襲った2つの出来事
僕はこのニュースを目にした時、とある2つの出来事を思い出しました。
Pantera(パンテラ)のギタリストが殺害された事件
何を隠そう過去の僕はヘヴィ・メタルが大好きで、よく外タレの来日イベントに足を運んでいました。
そのうちの一つに、Pantera(パンテラ)というスーパーヘヴィメタルバンドがあったのですが、ギタリストのダイムバッグ・ダレルがアメリカのオハイオ州で公演中に客に銃殺されるという悲劇が起こりました。
日本でプレイ中のVini Vici(ヴィニ・ヴィチ)に客が襲いかかった件
殺害事件ではないのですが、2016年のSolstice Music Festivel(SMF)で、サイケデリック・トランスの大物であるVini Vici(ヴィニ・ヴィチ)のプレイ中に、日本人の客が乱入してステージジャックし、一時中断したことがありました。
優れた音楽は人を引きつけるがアホも混じる
平均的な音楽はつまらないので人を引きつけませんが、優れた音楽は人を引きつけます。
そして、引きつけた人の数が多くなっていくと、その中には必然的にアホも混じってきます。
「大人数」という集合体はそういうものなので、仕方がありません。
つまり商業的に成功した音楽は、アホから何かしらのベクトルを向けられる危険があるということです。
それは、マーク・チャップマンによるジョン・レノンの殺害事件が証明しています。
暴力を想起させるジャンルが、暴力を誘発することもある
残念がら暴力を想起させるジャンルが、暴力を誘発することも少なくないです。
人によっては気分を悪くするかもしれませんが、これは事実だと思います。理由は、暴力的な表現やアトモスフィアは、繰り返し聴いているうちに、潜在意識に刷り込まれるからです。
- ヒップホップ
- サイケデリックトランス
- ビッグルームハウス
- ダブステップ
- ハード・スタイル
ダンスミュージックではこのへんでしょうか。
ダンスミュージック以外では、ヘヴィロック、ヘヴィメタル(スラッシュメタル)、オルタナティヴロックあたりの、ネガティヴな歌詞と退廃感の強いものも該当しますね。
だから、アメリカのParental Advisoryや、日本のR-15など、自制の効かないオーディエンスには規制がかかっていたりします。
クリエイティブな活動では、表現の制限内容を前提に小さくまとまってはいけませんし、時として過激なメッセージもコンテンツには必要かもしれません。
しかし、それにはリスクも伴うということも肝に銘じなければいけないでしょう。
治安のよいイベントはどうやったら運営できる?
結論、以下の2つだと思います。
- イベントの入場料を3万円以上にする
- AIやブロックチェーンを活用した高度なセキュリティシステムの導入
イベントの入場料を3万円以上にする
昨今の巨大フェスの興隆からわかるように、ここ最近はスタジアムいっぱいに人がひしめく規模感が良しとされて来ましたが、僕はこれに異を唱えたいです。
そんだけ人いっぱいだったら、暴行・不祥事を起こす人間の一人や二人は当たり前のように混じるからです。
そこで僕が提案したいのは、どんなイベントでも入場料を最低価格3万円以上に設定することです。つまり、ウルトラジャパンでもEDC JAPANでもVIP以上を利用するお客を相手にするということですね。
なぜなら、
特に日本は、これから富裕層と貧困層に二極化していきます。
貧困層が増える国は治安が自ずと悪くなりますので、貧困層でも入れるようなイベントをうっかり開催したら、Perplexのような悲劇が起こりかねません。
あと、富裕層はいつの時代も少人数です。
なので、ジャンルは少人数のフロアでも持ち味が活きる、テクノやハウスこそが相応しいということになります。
AIやブロックチェーンを活用した高度なセキュリティシステムの導入
即時的な解決法ではないですが、これからの防犯に必要なのは間違いなくAIです。
個人信用スコアをベースに、入場できる客を厳格に判断。会場内では生命体認証情報を基に、監視カメラやドローンを駆使して、あやしい動きを見逃しません。
あやしい動きはレベル別にして、警備ロボットがバウンサーの役割を果たし、取り締まります。スターウォーズに出てくるストームトルーパーや、ドロイドを想像していただければわかりやすいでしょう。
こういった未来はいつ訪れるかわかりませんし、具体的にいつ実装できるのか明確にはわかりませんが、絶対に訪れる未来です。
そのためには、とにかく今からデータを根こそぎ取っていないことには、実現できません。
以下の記事でも書いていますが、将来のシーンを守るためには、今からビッグデータの取得に動いてもらいたいです。
まとめ
というわけで今回はこんな感じです。
僕なりの”SAVE THE DANCEMUSIC”は、「お客を選ぶこと」「テクノロジーを活用すること」だと提案させていただきました。
今の段階でもぶっちゃけフェス・クラブやダンスミュージックのイメージって、海外はともかく、日本国内では思った以上に悪いですからね。
でも、そんなことで素晴らしい音楽が死ぬのは、許せないと思うのです。
ダンスミュージックを愛する人の一人ひとりが、サステナブルであるためにどうしたらいいのか考えるきっかけになってくれたら嬉しいです。
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