下記のツイートがバズっていたので引用します。
オープンからHumbleかけるやつとか使うなよ…先輩が苦言を呈したら若い奴がやりにくくなる、って気持ちもわかるけどオープンからそう言うプレイしちゃう子はクラブDJじゃない。舞台に立てば客には先輩も後輩も関係ないよ。だから、最低限の空気感が分からないうちは現場に立ってダメ。これは絶対。
— dj shunsuke (@SHUNSUKE0428) June 30, 2019
自分の若い頃と比べたくはないけど、オレはかっこいいと思ったパーティはオープンから常に研究してた。22時に行って何が起きてるか勉強してた。オープンがダサいパーティはメインもダサいって思ってたしね。そこは今も変わんない。
— dj shunsuke (@SHUNSUKE0428) June 30, 2019
甘やかしすぎでしょ、今のクラブシーン。ジャンルとかあんま関係なく緩すぎ。練習しない奴出すな。客が呼べても文化の後退に繋がる。気持ちでなんとかなることやるのは箱借りイベントまでにしてくれよ。そのマジ下手な奴が客呼んでるから先輩達は悪く言うなとか本末転倒。俺たちゃDJ。呼び屋じゃない。
— dj shunsuke (@SHUNSUKE0428) June 30, 2019
腫れ物に触るみたいに「あの子は頑張ってるから」とかもうどうでも良いよな。頑張ってても下手なら無理だよね。頑張ってても気持ちないなら無理だし。なんで結果出せない奴に頑張ってきた俺たちが優しくしなきゃいけないの?とかガチで思う。
— dj shunsuke (@SHUNSUKE0428) June 30, 2019
ちょっと吠えましたけど、非常に重要だと思います。誤解して欲しくないのは、努力の仕方を間違えるなってことです。俺は極一部のマナーが守れないバカ以外は若い子は大好きです。特に自分の後輩はみんな可愛い。自分の経験の全てを与えても良いと思ってる。それくらい努力してると思えてるからです。
— dj shunsuke (@SHUNSUKE0428) June 30, 2019
さて今回は、これへの意見も交えつつ、DJの技術論について「私見たっぷりに」取り上げてみたいと思います。
なので、それなりに読むに値する情報だとは思います。
今さらDJがうまいことに価値はない
ターンテーブルやバイナルでDJするのが当たり前だった時代ならいざ知らず、今やテクノロジーの力により、機材や新譜の販売価格は劇的に下がりました。
トラックの管理、ガイドの挿入を始め、オートメーション化が進み、アナログ時代に必要だった技術を、機材が肩代わりしています。
それによって、DJは誰にでも始められるようになり、出演DJの数やイベントの数も激増し、今ではどれも全く珍しい存在ではなくなりました。
ぶっちゃけ、今やDJであることやDJがそこそこできることに今や価値はないのです。
だから上手いから正義で下手だから悪ということもありません。
さらに言うと、
DJが要らなくなることさえ近い将来、十二分に有り得るんじゃないですかね。
以下の記事でも書いていますが、生き残るDJは技術のあるDJではなく、人気のあるDJです。
かと言ってDJの練習をしようとしないのもダメ
とはいえ、集客をがんばって結果を出していても、DJの練習をしようとしなかったり、下手なままで良しとするのはダメだというのも、全くもって正論だと思います。
自分が客だったとして、足を運んでみたら素人以下の技術・学芸会のようなでクオリティで、安くもないお金を支払うのはあまりに不毛ですからね。
逆に技術を完璧になるまで練習し続けていたら、いつまで立っても人前にプレイすることはできません。実際、現場を重ねることによって技術は飛躍的に磨かれます。
ただ、DJをやりたいんだったら、技術を追求する姿勢は自然なことなはずです。
ていうか、DJをやりたいのに何をモチベーションとしてるの?
ここで僕はとてもとても大きな疑問が生まれるわけです。
僕はDJをやり始めたとき、ダンスミュージックに何時間も触れられることや、ミックスの技術を上げること、技術と情熱を駆使して人の感情を動かすことに夢中でした。
だから1日に何十時間も、時には衣食睡眠忘れて練習に耽っていたのです。それを練習とも思ったことはないし、努力と思ったこともありません。
何でもそうですが、本当に好きなことなら大量に時間を投下し、大量に行動します。
ツイート主の言う練習不足で下手くそなDJたちは、こんなにも技術的なハードルが低くなった今で下手くそということは、驚異的なまでに練習に時間を割いていない、つまり音楽が大して好きでもないかとても才能がないというということになります。
僕は、その下手くそなDJたちの練習不足の姿勢を嘆くことはしません。
むしろものすごく気になるのは、「音楽好きでもないor才能ないのに、なんでDJやってるの?」ということです。
「DJ=音楽を愛してる」でもなくなっているという怖さ・・・
「集客はすごくできるけど、DJは苦手・・・」という人もいるかもしれません。
ローカルDJは確かに集客が絶対的な評価です。
でもそんな人って、わざわざ貴重な時間とカネを使ってDJなんかやる必要あるの?と思います。
だって、集客得意なら時間と金食い虫でギャラの出ないことが当たり前のDJなんかやるよりも、商売でも始めたほうが全然いいし、仮にイベントに携わるにしても他のポジションのほうがいいですからね。
そんなわけで繰り返しますが、今の時代にDJが下手っていうのは、音楽が好きではないか才能がないかのどちらかとしか思えないわけです。
ツイート主さんの主張の問題点
ちなみに、ツイート主さんはそんなに他のDJのダメっぷりが気になるなら、一人でオープンラストセットか、本物と信じられる少数精鋭メンツだけでイベントをやってはいかがでしょうか?(これに外タレ招聘も組み合わせてもOKですよね)。
でも、もしそれができないのだとしたら、結局「集客はできるか下手くそなDJ」に依存しているか、もしくは無視はできないということになるかと思います。
だったら選択肢は、その会社を辞めるか、ムカつく同僚をうまく利用するか、フリーランスか起業するかって話になりますよね。
もし、どれもできないのであれば、ただの不満に過ぎないので、耳を傾けるに値しない、ただの愚痴ということになります。
もう日本のクラブシーンに期待するのはやめましょうよ
ローカルDJが集客が絶対的な評価で、技術が軽視されることさえあるのは、別に今に始まった話ではありません。
日本のクラブやクラブシーン自体は、DJやオーガナイザー、外タレに依存せずに新しいお客さんを呼び、一度来たお客さんが足を運び続ける仕組みを作って来なかったわけですし、今後も力を入れることは期待できそうにないです。
ツイート主さんの望むような「DJが音楽に集中できる環境」は夢のまた夢の話でしょう。
近年は日本は少子高齢化も進んでいますし、日本のオーディエンスの中には「そろそろ落ち着こうかと・・・」という動機がよくわからない「クラブ引退宣言」、また家庭ができることによる引退もあります。
この流れや習慣を変えるのは無理ゲーで、今後はますます集客は厳しくなります。
AIの活用や、訪日外国人にターゲットを変えることによる、現状打破の可能性もありますが、イノベーティブな空気がある業界でもないので、あまり期待はできないと思います。
日本人はそもそも音楽を好きになる教育がなされていないのです。だからDJを音楽への関心ゼロで、それ以外の動機で始める事例が出てきても仕方ないなというところですね。
一昔前に当時の友達がターンテーブルを購入して私もレコード買って練習させてもらいました。気がつくとクラブの知人に声かけまくってイベントに出させてもらいました。肝心の技術はと言うと今思い返しても聴けたもんじゃありません(汗)やがて就職してDJ活動は辞めてしまいましたが私もブログ主さんのおっしゃるように大したことない人でその大したことない人もコネはすごい力だなあと社会人になり年齢を重ねるごとに痛感します。
まあでも、DJの技術は人前でやり続ければ向上はすれど、落ちることはありませんからね。
糸瓜さんも辞めければ全然聴けたものになっていたでしょうし、仮に今から再挑戦しても技術は向上すると思います。
しかし、ショービズとしての側面(お金と欲求の動く場)に踏み込むと、技術全面では勝負のファクターにならないわけです。
これは、美味しいのに潰れていく飲食店が続出していることもそうですし、握手会をフックに音楽コンテンツがガンガン売れることからも見て取れる事実でしょう。
ただダンスミュージックシーンは、「グレートリセット中」なので、この先のことはわかりませんけどw